おくればせながら、巷で話題の青春小説「夜のピクニック」、読んでみました。

なかなかよかったッス。

青春ものって、登場人物がマジな話をしはじめると「ちょっと嘘くさいよな~」と思うものだけれど、これは、高校生が一昼夜かけて80キロを歩き通す「歩行祭」という行事を舞台にしているのがウマイ。
ひたすら歩く、しかもそれが夜、みたいな非日常的な空間にいればヒトは内省的になるっていうのは納得できますからねー。

もっともちょっと気になったのは「おまじない」のエピソード。これはちょっと先が読めてしまって、いまいちでしたなあ。

で、ここから話はわき道にそれますが、この「歩行祭」、作者の恩田陸さんの母校で実際にやってる行事だそうですが、これに類した行事はどうも全国の高校にあるらしい。私の母校の長野の県立高校の場合だと、出身中学別に作る「郷友会」という親睦団体があって、ちょっとスケールは小さいですが、この郷友会が「夜行軍」と称して学校から自宅まで何十キロか歩く行事を盛んにやってましたな~(地方だから結構何十キロか先から通ってくるわけです)。
ワシの郷友会の場合だと、自宅と学校が十キロちょっとだったので「昼行軍」といって、土曜の午後かなんかにやってました。この程度だとちょっとショボい(笑)。

それにしても、この種の行事がいつ、どのようにして広まったか、ちょっと興味があります。ネットでググればいろいろ情報あるかもしれんけど、直感では、やっぱり旧制中学あたりで「心身鍛練」というコンセプトで始まったような気がします。恩田陸さんの高校も確か、その手の地方の名門公立高校だったんじゃなかったかな。