秋田の児童殺害事件で逮捕者が出ました。まだ事件の全体像は見えていないものの、週刊誌等ではかねてから「アヤシイ」という疑惑報道が出てましたから、まあ想定の範囲内ともいえるのですが、察するに「アナタの隣に潜む犯罪者」とゆー図式になってきてますから、察するに「この世の中はどーなってんだ、世も末だ~」的な世間のリアクションが広まっていくことは想像に難くない。
でまぁ、そーしますとヘソ曲がりのアタシとしては、「そーですかな?」と言いたくなる。このところ世間では「世の中は物騒になった」「非道い世の中になった」みたいな物言いが流行っておるわけで、大きな意味では今回の児童殺害事件もそういった潮流に棹さすものになりそうです。でも果たして、ホントーにそうか?
実のところ、悪虐で理解に苦しむ犯罪なんていうのはいつの世にもあって、何も現代に特有の現象じゃない、っていう議論はいろんなところでなされてるわけです。「最近の青少年はすぐキレてしまって、凶悪な少年事件は年々増えている」というのも「世の中悪くなった論」の一つのバリエーションですが、これなんかも含めて実はこの種のペシミズムのほとんどが幻想の産物らしい。
とりあえず「解毒剤」になりそうな本を以下に挙げておきましょう。
河合幹雄『安全神話崩壊のパラドックス―治安の法社会学』
本田由紀・内藤朝雄・後藤 和智『「ニート」って言うな!』(特に内藤さん執筆の第二部)
パオロ・マッツァリーノ『反社会学講座』&『反社会学の不埒な研究報告』
芹沢一也『ホラーハウス社会―法を犯した「少年」と「異常者」たち』
ちょっと話は横道にそれますけれども、今回の秋田の事件を見聞きして「顔見知りに殺されるなんてヒドイ」って考える人がいるかもしれませんが、上の河合さんの本だったでしょうか、殺人事件のほとんどは「顔見知り」同士の間で発生してる、と書いてあったような記憶があります。夫婦間とか職場の同僚同士、といったところでしょうね。ちょっといい話、といったところでしょうかネ…w。
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