小生、地下鉄・東西線(@東京)で通勤しているのですが、11月20日から例の「女性専用車両」なるものが西船橋方面から都心に乗り入れる電車に限り朝のラッシュ時に導入されるようです。

時差出勤が可能な仕事なので、ま、それほど差し迫った問題ではないのですが、たまに朝のラッシュ時間に乗ることもあるし、どうよこれ、と思うところはありますな。大義名分としては「痴漢防止」とやらで、公明党あたりが盛んに推進しているわけです、女性専用車両。ネットでいろいろ見てまわりますと、批判もけっこう多い。

東西線は相当混む路線でありまして、特に最西端の先頭車両が女性専用になるらしいですが、私の乗る駅などはピーク時にはホーム歩くのも難しいような状況がままある。この車両にたどりつくのも大変、となれば、女性車両に乗り込むのもなかなか困難。結果、この車両だけ相対的に空いてるのに、他の一般車両の混雑はさらにひどくなる――という結果になるは火を見るよりも明らかですな。じじつ、既存の導入路線でもそういう事例はあるらしいし。

まぁ大義名分にはなかなか逆らえないところがあるだけに、かえって出勤サラリーマンの内心の鬱積はたまるでしょう。しかし、このシステムゆえに列車の遅延やら「積み残し」が日常的に続いたらどうなるか。東西線の過密状況を知る人たちの間に、1973年に起きた「上尾事件」の再現を危惧する声があるのも故なきことではないんじゃないか。えぇ、旧国鉄の遵法闘争とやらで電車に乗れない庶民が起こした大衆暴動事件ですな。

さらにいえば、最近の「監視カメラ」の一般化、「たばこ狩り」の風潮なんかとも、この一件、通底してるとこがある。そう、表だって抗議しにくい「正義」「正論」を掲げて何事かを強引に「解決」しよう、という性急さが世の中のいたるところに吹き出しているんですよ。う~ん、愛煙家だからいうわけじゃないが、そんなに性急に「正義」は実現しないよ、中国革命だって何だって最初掲げた理想がみんな歪んだかたちになってったじゃないの…と、言いたいところではありますが、まぁここまで話を広げるのは流石に言い過ぎでしたかな、わははは。