
というわけで全国150万人のオカルトファンが長らく待望していたチャールズ・フォート(1874-1932)の『The Book of the Damned』(1919)が『呪われし者の書』の書名で邦訳され、このほど国書刊行会から出版された。とりあえず読んでみたので以下は感想文。
あらゆる進歩は法外なものから平凡なものに向かう。つまり、疑似存在は強姦から出発して、やさしく子守歌を口ずさむことに移っていくのである(190p)
私の精神状態は、件の嵐で打ち上げられた漂着物を見つけた蛮人のようなものである。漂着物はピアノの浮きやすい部分と稚拙な彫刻のある櫂、あるいはインド産の軽い夏物衣料とロシア産の毛皮のオーバーである――つまり、科学そのものは多方面から実相に迫るとはいえ、結局は洋島の問題としてインドを考え、また、洋島の角度から解釈されたインドの問題として、ロシアを考えようとする試みなのである(174-75p)
天文学。夜警が半ダースのカンテラを見つめている。通りは掘り起こされている。その近所にはガス灯や石油ランプや電灯がある。ぱっと燃え上がるマッチ、ストーブの火、焚火。どこかで家が燃えている。自動車の灯火、ネオン――(197p)
人間特有の脂ぎった、ぴかぴかの脳味噌。やはりなんらかの使い道があるのかもしれない。異形態の生物は人間の脳味噌を潤滑油として珍重する。そこで人間狩りをするというわけである。地球への狩りの遠征――新聞各紙には竜巻と報告される(313p)
イングランドのセントオールバンズ付近では暴風雨の際に石が降った。この石はセントオールバンズ博物館に受け入れられたが、大英博物館では"真の隕石物質"ではないとされた(『ネイチャー』八九号、三四頁)(132p)
【付記】













